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感染症について

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ブルセラ症

ブルセラ症とは
 昔からブルセラ症は、畜産に関わるもの、獣医師にとっては、怖い病気という認識を持っています。最近では、ペット、特に犬に関してブルセラ症に関心が持たれています。牛、豚、山羊、羊、犬、人にも感染する人と動物の共通感染症です。世界各地に分布が見られます。また、いわゆる「感染症法」において「第4類」に分類されており、診断した医師は届出の義務があります。

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1.病原体  
  Brucella. abortus(ブルセラ アボルタス、主に牛)、B.suis(ブルセラ スイス、主に豚)、B.melitensis(ブルセラ メリテンシス、主に山羊、羊)、 B. canis(ブルセラ カニス、主に犬)などの細菌が病原体です。
 家畜(ブルセラ アボルタスなど)においてはブルセラ症コントロール(計画的な検査と淘汰)により、日本での発生は現在ありませんが、犬(ブルセラ カニス)においては、犬の流産、不妊症の原因となっており、日本での発生があります。

2.どのように感染するのか
 ブルセラ症の感染は主に感染動物との接触、あるいはその尿、精液の付着、非加工乳製品の摂取、汚染された空気の吸入などで起こります。

3.動物が感染したときの症状は
 不妊症、死産、流産などがあります。死産、流産を繰り返す場合、この病気を疑い、動物病院に相談しましょう。人へ感染することもあります。
 診断は、血液、骨髄、他の組織からの病原体の分離、同定が必要です。その他、抗原抗体反応の検査、PCR(病原体の遺伝子の検査)も行われます。

4.人が感染したときの症状は
 通常の生活で感染することはまれですが、感染した犬の死骸や流産時の汚物などに接触して感染することがあり、感染した場合は時に発熱、悪寒、倦怠感など風邪に似た症状を呈します。2〜3週間の潜伏期の後、症状を現します。あらゆる臓器に感染を起こし、特異的なものはありません。なかには、泌尿器系で、精巣炎を起こし、無精子症になることが知られています。数週間〜数ヶ月の発熱、リンパ節、肝臓、脾臓が腫れます。
 診断は、血液、骨髄、他の組織からの病原体の分離、同定が必要です。その他、抗原抗体反応の検査、PCR(病原体の遺伝子の検査)も行われます。

5.治療法は
 長期の計画的な抗生物質の投与が必要です。また心内膜炎、骨髄炎などでは外科的処置も必要です。詳しくは医師に相談ください。

6.予防法は
 家畜のブルセラ症コントロールが最重要です。それにより現在日本ではほぼ撲滅しています。但し海外ではまだ本症は発生しており、海外旅行では注意する必要があります。
 また、犬の繁殖施設においてはブルセラ症に対しても、検査、治療、あるいは特別な管理が必要です。原因不明な頻発する犬の死流産の場合、この病気を疑う必要があるでしょう。現在、繁殖の前にブルセラ症の検査を積極的に行って、コントロールしている繁殖施設が増えています。
 現在、牛、羊、ヤギ用のワクチンはありますが、犬、人用のワクチンはありません。

大阪府のイヌブルセラ症のイヌの集団感染事例

 ことの起こりは、大阪府和泉市で個人経営の犬繁殖場が、平成18年10月頃からブルセラ症による死流産の多発により崩壊し、犬257頭が放置されたことに始まった。
 大阪府の調査によると、257頭のうち、ブルセラ カニスの抗体陽性犬が119頭見つかり、府は平成19年2月に外部有識者らでつくる会議で陽性の犬の殺処分を決めた。しかしこれに反発する動物愛護団体の約30人が業者の飼育場に詰め掛けたため処分を中止。団体の代表は殺処分を差し止める仮処分を大阪地裁に申し立てた。
 大阪府は平成19年3月16日、陽性犬からの感染拡大を防ぐため、陰性犬を他施設に移し、18日までに、全陰性犬を「食とみどりの総合技術センター」(羽曳野市)に移し、譲渡先を探すこととなった。
 大阪府によると、陰性犬は、陽性119匹とは別の部屋に隔離されているが、府は万全を期すため、移動が必要と判断したためである。府動物愛護畜産課は「地裁の判断が出るまで、安楽死にはしない」としていたが、4月12日に団体代表の申し立ては却下されたため、4月28日に119匹が殺処分された。
 陰性犬は府の施設で職員らが世話を続けており、感染していないことを再確認したうえで、6月上旬以降、一般から飼い主を募り順次譲渡を開始した。
 この作業も10月に終了し、一連の集団感染事例も終わりとなったが、今後の課題も大きく残すこととなった。

読売新聞より一部引用

レンタル犬会社の18頭集団感染(東京都、千葉県)2008年8月

  小・中型犬を有料で貸し出すレンタル犬サービス会社の所有する18頭が、人や家畜にも感染する「イヌブルセラ症」に集団感染したことが分かった。人への感染は現在のところ、確認されていないという。  
  当会社の説明によると、五反田(品川区)と浦安(千葉県浦安市)の両店で所有する計59頭のうち、2日に18頭が陽性、3頭が陰性、38頭が再検査を要する疑陽性と判明したという。9月に交配した1頭が、ブルセラ症の典型的症状である流産をしたため、全頭検査をしていた。  
  この結果を受け、同社は両店を閉鎖し、3日に保健所や都動物愛護相談センターに報告した。感染犬の尿や汚物に触ると感染することがあるが、通常の生活では人への感染はまれだという。  
  同社はドッグカフェや犬が走り回る広場なども運営しており、会員約1600人にはメールで感染を連絡。同社社長は「感染ルートは分からない。感染を広めないためにも、両店に出入りした人や犬は検査をしてほしい」と話した。  
  その後も、積極的な検査を行なっている。

毎日新聞より一部引用 (2008.10.15 )

狂犬病高病原性鳥インフルエンザウエストナイル熱(脳炎)重症急性呼吸器症候群(SARS)パスツレラ症猫ひっかき病ブルセラ病レプトスピラ症真菌感染症
エキノコックス症回虫症ツツガムシ病オウム病Q熱疥癬(かいせん)カンピロバクター症クリプトスポリジウム症野兎病サルモネラ症土壌病(炭疽、破傷風)トキソプラズマ症日本脳炎結核腸管出血性大腸菌症

 

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