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Q熱(コクシエラ症)

 人獣共通感染症の結核を引き起こす病原体の中で特に重要と考えられるのがウシ結核菌(Mycobacterium. bovis )です。
 M.bovis は結核菌群菌に属すウシ結核起因病原体で、野生動物、家畜、ヒト以外の霊長類およびヒトと広い宿主域をもっています。
 自然界では野生動物が菌の貯蔵場所として存在し、ヒトと家畜の感染源として重要な役割を担うとともに、ヒトの健康に対して大きな影響力をもち、農業の持続性や野生動物保護の観点からも非常に大きな問題を抱えています。

ウシ結核菌の感染環

 感染経路:A:垂直感染、B水平伝播、C補食、D汚染物品、Eエアロゾル、F汚染食物
(鈴木貞彦;Kekkaku Vol.85,No.2,2010 より、一部修正)

・動物の結核菌
 ヒトの結核は主にヒト結核菌(M. tuberculosis)によって引き起こされますが、ウシの結核の病原因子であるM. bovis も時としてヒトに病原性を発揮します。一方、M.tuberculosis も時として、ウシ等の家畜、シカ等の野生動物および犬等の愛玩動物に感染することから、人獣共通感染症の起因病原体と考えられています。また、トリ結核菌から派生した反芻獣のヨーネ菌(M. avium ssp.paratuberculosis) はウシにヨーネ病を引き起こす病原体ですが、ヒトのクローン病との関連が議論されています。さらにブタの抗酸菌症の原因菌(M. avium ssp. Hominissuis) はブタおよびヒトから共通に分離されています。  
  これらの菌は病原性宿主特異性および表現形質においてそれぞれ異なった特徴を示すのにもかかわらず、遺伝子の塩基配列の相同性から、M. bovisを共通祖先とし宿主に適応した生態型として進化したと考えられています。その説は、ヒトが畜産と呼ぶべき行為を始めた時期にM. bovisが種の壁を越えてウシ科の動物からヒトに感染し、やがてヒトに適応した結果現在のM. tuberculosis と呼ばれる種が生まれたというものです。

ウシ結核菌の野生動物、家畜、ペットへの浸潤
 M. bovis は広く家畜に病気を起こすだけでなく種々の野生動物、さらにはヒトにも病気を引き起こしますが、これらの動物種の一部は病原体の保有宿主となり、家畜のウシ結核制圧・撲滅計画の障害となっています。
 英国とアイルランドでのアナグマ、ニュージーランドでのフクロギツネ、米国ミシガン州でのオジロジカ、フランスでのアカシカなど野生動物からウシへの感染が報告されています。家畜の中ではウシ、飼育水牛およびヤギ、ブタ、ネコ、イヌ、ウマの保菌が知られています。

ウシ結核の発生状況
 国際獣疫事務局(OIE)によると、2005〜2008 年の間に155の国のうち128カ国においてウシ結核が報告されていますが、わが国のヒト型結核菌の感染に関する新規登録者は現在でも3万人を数えていますが、ウシに関してはわが国では淘汰という戦略をとっているため劇的に減少しました。1992年に195例、1993年に203例が見られた後は低値を示し、近年2000年以降の年間発生例は、2例以下で推移し、適切に制御されています。
 ウシ結核がコントロールされていない国や厳しい牛結核制圧・撲滅計画と牛乳の殺菌が励行される以前の先進国においては、ヒトのM.bovis感染症例のほとんどはM. bovisに汚染された牛乳の未滅菌摂取の結果として若年層に多く見られていました。この伝播経路により感染・発病した場合は頸部リンパ節、稀に腋窩のリンパ節に感染巣を形成し、時として慢性の皮膚結核をもたらすことが知られています。一方、獣医師、農民あるいは食肉解体場の労働者は一般に感染したウシに由来するエアロゾルを介した経路によって感染し、肺結核を発症しています。近年、ミルクの低温殺菌とウシ結核撲滅キャンペーンは大きな成果をもたらし、先進国におけるM. bovis によるヒトの結核発症は、非常に稀な事象となっています。また、M. bovis によるヒト- ヒト感染は非常に特殊なケースとして免疫不全の場合にのみ見られます。

ヒト結核菌の感染経路
 ヒト結核菌の動物への曝露には2つの感染経路が考えられます。1つは国内動物における感染経路であり、ヒトの結核菌排菌者からイヌなどのペットへ感染したり、動物園動物で感染したりする事例が報告されています。なお、日本動物園水族館協会が非公式の成績によれば、サル、ゾウ、オランウータン、カモシカ、マレーバク、チンパンジーといった動物が感染したという例が見られます。もう1つは、輸入動物が既に保菌動物である場合で、特にサル類の輸入による感染の広がりが国際的に問題となっています。

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