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日本脳炎

 主にコガタアカイエカによって媒介される日本脳炎ウイルスによっておこるウイルス感染症であり、ヒトに重篤な急性脳炎をおこします。
 日本脳炎は極東から東南アジア・南アジアにかけて広く分布し、この地域における脳炎の最も重要なものとなっています。世界的には年間3〜4万人の日本脳炎患者の報告がありますが、日本、韓国、台湾はワクチン接種によりすでに流行が阻止されています。具体的には、1950年代日本では年間数千人の患者発生がありましたが、1992年以降、年間10名以下の患者発生となっています。
 厚生労働省では毎年夏期にブタの日本脳炎ウイルス抗体獲得状況から間接的に、日本脳炎ウイルスの蔓延状況を調べています。それによると、毎年日本脳炎ウイルスを持った蚊は発生しており、国内でも感染の機会は無くなっていません。

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1.病原体
   日本脳炎はフラビウイルス科に属する日本脳炎ウイルスに感染することによっておこります。
 このウイルスは、伝播様式からアルボウイルス(節足動物媒介性ウイルス)とも分類されます。フラビウイルス属のなかでも、特に日本脳炎ウイルス、ウエストナイルウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マレーバレー脳炎ウイルスは相同性が非常に高く、これらは日本脳炎血清型群(Japanese encephalitis serocomplex)とよばれています。

2.臨床症状
ブタ :  母豚は感染しても妊娠中は無症状なので、多くの場合、異常産の発生により初めて本症の発生に気がつきます。異常産は胎子ごとに感染時期が異なるため、ミイラ・黒子・白子などの死産胎子を娩出するほか、娩出直後から震え、痙攣、旋回などの神経症状を示して死亡する子豚が混在します。
妊娠早期に感染すると、初期胚や感染胎子は吸収されるため、産子数の減少や不妊の原因となります。雄豚は精巣が腫大し、交尾欲減退、精子数の減少などにより不妊症となります。
ヒト :  潜伏期は2週間前後であり、日本脳炎ウイルスに感染しても、ほとんどの人は軽い症状あるいは無症状に終わりますが、一部は髄膜炎あるいは脳炎,脊髄炎を発病します。脳炎の発病率は、日本脳炎ウイルスに感染した100〜1000人に1人程度と考えられています。
日本脳炎に特徴的な症状はなく、急性脳炎としての症状で、急激な発熱と頭痛で発症し、2〜3日で39〜40℃以上となり、全身の違和感、嘔吐、下痢、髄膜刺激症状が出現します。その後、意識障害、光線過敏、筋肉の強直、不随意運動、振戦、麻痺、けいれんなどが出現します。脳炎症状を起こすと、致死率は18%と高く1、回復しても約50%に後遺症が残ると言われています。

3.感染経路
 増幅動物(ブタ)の体内でいったん増えて血液中に出てきたウイルスを、蚊が吸血し、その上でヒトを刺した時に感染します。
 ブタは、特にコガタアカイエカに好まれること、肥育期間が短いために毎年感受性のある個体が多数供給されること、血液中のウイルス量が多いことなどから、最適の増幅動物となっています。
 ヒトで血中に検出されるウイルスは一過性であり、量的にも極めて少ないため、ヒトからヒトへの感染はなく自然界では終末の宿主となっています。しかし、日本脳炎ウイルスは、ブタ以外にヒト、ウシ、ウマ、ヤギ、イヌ、イノシシ、キツネ、マウスなどの哺乳類、サギ、シチメンチョウ、ツル、ガンなどの鳥類、トカゲなどのは虫類にも感受性があります。

4.治療・防疫対策
ブタ :  日本脳炎ウイルスに有効な治療薬、治療法はありませんので、対症療法が主体になります。また、ワクチンは、春から夏にかけて種付けを予定している初産豚を対象にワクチン接種を行います。このウイルスは蚊が媒介しますから、ウイルス自体を殺すことはできませんが、ウイルスを媒介する蚊の増えそうな水溜まりを消毒したり、蚊の集まりそうな場所に殺虫剤をまいてボウフラや蚊を殺すことは有効です。
ヒト :  特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。症状が現れた時点ですでにウイルスが脳内に達し、脳細胞を破壊しているため、発症後の治療は非常に難しくなります。予防が最も大切で、予防の中心は蚊の対策と予防接種です。日本脳炎の不活化ワクチンが予防に有効なことはすでに証明されていて、実際、近年の日本脳炎確定患者の解析より、ほとんどの日本脳炎患者は予防接種を受けていなかったことが判明しています。

5.感染症法・家畜伝染病予防法による取り扱い
 感染症で4類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る義務があります。また、家畜伝染病予防法で、法定家畜伝染病に指定されており、この病気であることが診断されたら、家畜保健衛生所に届け出る義務があります。

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