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レプトスピラ症

 レプトスピラ症とは、人ではワイル病、秋疫(「あきやみ」と読みます)として昔から知られています。病原性レプトスピラ(らせん状の細菌)感染により起こる人獣共通の感染症です。菌の血清型により、季節性のあるものや、軽症のもの、重症になるものなど多様です。ドブネズミなどの保菌動物の腎臓に保菌され、その尿に汚染された水や土壌から皮膚あるいは口から感染します。ただし、同じげっ歯類であるハムスターはこの菌に対する感受性が高く(菌に対して弱い)、感染するとすぐに死んでしまうので人への感染の可能性は低いと思われます。また、不顕性(症状が現れない)感染あるいは慢性化した家畜(馬、牛、豚、羊など)、ペット(犬など)も保菌動物となることもあります。感染症法では新4類に含まれ、レプトスピラ症と診断した医師には届出義務があります。また、犬のレプトスピラ症は家畜伝染病予防法の届出伝染病に含まれます。

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1.病原体
 病原体は、らせん状をしたスピロヘータ目のレプトスピラという細菌で250以上の血清型があります。この菌には病原性のあるものとないものとがあり、日本では、Leptospira icterohaemorrhagiae、L.copenhageni、L.canicola、L.hebdomadis、L.autumnalis、L.australis、L.pyrogenes、L.javanicaが病原性レプトスピラとして知られています。血清型により、季節性のあるもの、地域性のあるもの、重症化するものなど多彩です。

2.臨床症状
 感染から3〜14日間の潜伏期間の後、急性の発熱、頭痛を伴う風邪のような症状がでます。そのまま治ってしまう軽症なものから、さらに肝障害、黄疸、出血、腎障害を起こす重症なものまで多彩な症状を示します。重症症状のものは、治療しなければ致死的な経過をとることもあります。

出血斑 黄疸 舌出血
出血斑 黄疸 舌出血

3.感染経路
 レプトスピラに感染した動物の尿に汚染された土壌、水を直接的に経口あるいは皮膚から入り感染します。かつては農業従事者に感染例が多く見られていましたが、近年では、カヤック(カヌー)などのレジャー産業に従事している人たちや、海外旅行者が海外で感染してくる輸入感染症が見られています。また、海外からの動物の輸入によって持ち込まれる可能性もあります。ロシアにおいては日本向けの輸出犬に関しては、ワクチン接種をせず、抗体検査を行い陰性のものを輸出しています。

4.病原診断
 病原体検査は、菌の鏡顕、培養して分離、同定する直接的な検査、抗体を検査する方法、そして菌の遺伝子の存在を調べるPCR法があります。直接的な検査では、培養に数日から1ヶ月かかり、陰性例には不確実な面が多い、また、抗体検査では、2週間間隔で2回の検査(ペア血清)により、その上昇で診断するため、やはり時間がかかります。PCR法は比較的短時間で検査できますが、病原性のないレプトスピラも検出しますので、その臨床症状と照らし合わせる必要があるでしょう。血清型を調べるには、抗体検査が有効です。

5.治療
 一般にテトラサイクリン系の抗生物質(ドキシサイクリン)を使います。重症例に対してはペニシリン系の抗生物質を使いますが、破壊された菌からの毒素によるショックを起こすことがあるので注意して使う必要があります。

6.予防
 人と犬に対しては、予防注射があります。しかし、血清型によりワクチンがないものもあり、完全ではありません。そこで、レプトスピラに汚染されていそうな不潔な土壌、川に入らないことが大切です。このように直接的に気をつけることと同時に、保菌動物であるネズミの駆除、水田の排水、下水道、側溝の整備などの環境の改善、しっかりした調査が大切です。また、海外渡航からの感染例が出ていますので、流行地域では不用意に川など水場に入らないよう気をつけましょう。

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